本文へスキップ

滋賀県草津市平井の耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科。せの耳鼻咽喉科です。

術後性上顎のう胞の手術治療policy&FAQ

術後性上顎のう胞とは

約20年以上前までの副鼻腔炎手術では、歯茎を切開し頬の骨を割り、上顎洞内の手術を行っていました。上顎洞粘膜を骨から剥がすように取り除きますが、粘膜が一部残っていると、後に上顎洞部分にのう胞が発生することがあります。これを「術後性上顎のう胞」と言います。のう胞に粘液や膿がたまると歯痛、頬部痛、眼痛、眼や頬の腫れなどの症状が出現します。
CTで左上顎洞に術後性上顎のう胞を認める

診断

鼻鏡、電子スコープによる鼻腔の診察を行います。
既往歴とCT検査で比較的容易に診断がつきます。

治療方法

・比較的軽度の場合は、抗生物質の投与やのう胞にたまった液を取り除くことで症状は改善します。

・何度も症状を繰り返す場合には、手術が必要になります。近年では、鼻内視鏡手術により、鼻腔からのう胞壁を開放する方法が主流です。のう胞が鼻腔から遠い場合や、厚い骨壁に覆われている場合には、歯茎の切開による手術が必要になります。

手術方法

・術後性上顎のう胞開放術
内視鏡下に手術を行います。下鼻道側壁や上顎洞膜様部に穴をあけ、のう胞壁をできるだけ大きく開放します。のう胞内に隔壁がある場合はそれも摘出し、のう胞壁残存がないようにします。

鼻中隔弯曲症を合併している場合は、鼻中隔弯曲症を同時に行うことがあります。手術時間は約1-2時間、日帰りで行います。

手術症例


手術により左術後性上顎のう胞(白矢印)が開放され、貯留液が消失した(黒矢印)。

術後経過

手術当日から数日間、鼻の痛みや頭痛、鼻出血が起こることがあります。止血材抜去直後の鼻通りは良好ですが、しばらくすると鼻粘膜の腫脹や痂皮の付着により鼻閉が起こってきます。術後3週目以後徐々に鼻通りが改善してきます。完治まで約4-6週間程度かかります。


  せの耳鼻咽喉科
  〒525-0023 滋賀県草津市平井1丁目19-6
  TEL.077-563-8741
inserted by FC2 system