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滋賀県草津市平井の耳鼻咽喉科、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科。せの耳鼻咽喉科です。

歯性上顎洞の手術治療policy&FAQ

歯性上顎洞炎とは

虫歯や歯周病などを原因として発症する上顎洞炎を「歯性上顎洞炎」と言います。虫歯や歯周病など口腔内で発生した炎症、感染症が上顎洞に波及し上顎洞炎をきたします。原因歯は、第一大臼歯が最も多く、次に第二大臼歯、第二小臼歯と続きます。未治療の歯だけでなく、歯科治療を受けていた歯も原因になり得ます。膿性鼻汁、鼻閉、後鼻漏、上顎痛、頭重感、頭痛、頬部痛、眼痛、鼻の悪臭、痰などの症状が出現します。
右第一大臼歯歯根周囲炎と右上顎洞との交通を認める(矢印)。

診断

鼻鏡、電子スコープによる鼻腔の診察を行います。
CT検査で、原因歯と上顎洞の関係を確認する必要があります。

治療方法

・保存的治療:鼻汁や疼痛などの急性症状に対しては、抗生物質の投与などを行います。原因歯の歯科的治療(根管治療、抜歯など)も併せて行います。

・手術治療:原因歯の抜歯を避けたい場合、保存的治療に抵抗性の場合、歯科治療を行ったにも関わらず改善が認められない場合には、鼻内視鏡手術を行います。

手術方法

・内視鏡下に上顎洞膜様部を広く開放します。篩骨洞や前頭洞にも炎症が及ぶ場合にはそれらも開放します。

鼻中隔弯曲症を合併している場合は、鼻中隔弯曲症を同時に行うことがあります。手術時間は約1-2時間、日帰りで行います。

術後経過

手術当日から数日間、鼻の痛みや頭痛、鼻出血が起こることがあります。止血材抜去直後の鼻通りは良好ですが、しばらくすると鼻粘膜の腫脹や痂皮の付着により鼻閉が起こってきます。術後3週目以後徐々に鼻通りが改善してきます。術後処置に併せて内服治療も行うことが重要です。完治まで約8-12週間程度かかります。
鼻内視鏡手術を行ったにも関わらず完治しない場合には、最終的に原因歯の抜歯が避けられない場合もあります。


  せの耳鼻咽喉科
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