鼻の奥、口蓋垂(のどちんこ)の上方に上咽頭(Bスポット)という場所があります。ここには咽頭扁桃、耳管扁桃というリンパ組織があり、呼吸をした時に空気とともに入ってきた細菌、ウイルス、ほこりなどの影響を受け慢性の炎症を起こすことがあります。ここに粘膜の炎症を改善する効果がある塩化亜鉛を塗布する治療法をEAT(Epipharyngeal
Abrasive Therapy)、Bスポット療法、上咽頭擦過療法と言います。治療により、後鼻漏、のどの違和感、鼻やのどの痛みが改善します。
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制作・許諾:豊中市・にしだ耳鼻咽喉科
上咽頭炎による直接症状:咽頭違和感、後鼻漏、咳喘息、痰、慢性咳、首こり、肩こり、頭痛、耳鳴り、舌痛、歯の知覚過敏、歯痛、顎関節痛など
自律神経系の乱れを介した症状:全身倦怠感、めまい、睡眠障害(不眠・過眠)、起立性調節障害、記憶力・集中力の低下、過敏性腸症候群(下痢、腹痛など)、機能性胃腸症(胃もたれ、胃痛など)
病巣炎症として免疫を介した二次疾患:IgA腎症、ネフローゼ症候群、関節炎、胸肋鎖骨過形成症、掌蹠膿疱症、乾癬、慢性湿疹、アトピー性皮膚炎など
(耳鼻咽喉科以外の病気は、主治医と十分ご相談の上治療をご検討下さい。)
痂皮+膿付着タイプ
40代、女性
症状:長く続く膿性鼻汁と後鼻漏
膿付着タイプ
40代、女性
症状:数週前から続く後鼻漏
粘液付着タイプ
30代、女性
症状:5日前から後鼻漏
粘液付着タイプ
60代、女性
症状:かなり以前から長く痰と後鼻漏
粘膜下出血タイプ
30代、男性
症状:数カ月続く後鼻漏
敷石状粘膜炎タイプ
40代、女性
症状:数カ月続くのどの違和感
・鼻咽喉頭、頸部の診察
・電子スコープによる鼻、上咽頭、咽喉頭の診察
・鼻副鼻腔CT
・必要に応じて血液検査
・塩化亜鉛塗布療法(EAT,B-spot療法):綿棒や捲綿子を用いて鼻や口から上咽頭(Bスポット)に塩化亜鉛を塗布します。週に1-2回を2カ月間または症状が消失するまで継続します。
制作・許諾:豊中市・にしだ耳鼻咽喉科
・鼻うがい:鼻うがい(鼻洗浄)で直接上咽頭を洗浄し
ます。
・薬物療法:抗炎症薬、抗アレルギー薬、漢方薬などを組み合わせ治療します。